小説(基本的に文庫版)

姥ざかりシリーズ 田辺聖子 著
新潮文庫
主人公歌子さん76歳。
「こんなお婆さんにわたしもなりたい」このキャッチフレーズ通り
こういう老後に実は憧れている。
王妃の館(上・下) 浅田次郎 著
集英社文庫
今最も好きな作家の1人である著者。
2組の日本人ツアーメンバーがパリで繰り広げる人間模様に
ルイ14世の物語が絡まって・・・最後の大団円はお見事です。
陰陽師シリーズ 夢枕獏 著
文春文庫
このシリーズ最大の魅力は安倍晴明・源博雅コンビではないだろうか。
話の「起」と「結」に描かれる2人のやりとりは毎回の楽しみ。
時に凄絶な描写もあるが、平安時代の趣を湛えた文章もいとをかし。
霞町物語 浅田次郎 著
講談社文庫
連作短編集。著者の少年~高校生時代の生活を基にしているらしい。
甘くほろ苦い作品群の中で、私の一番は「雛の花」。
祖母の姿とその人生にまつわるストーリーは切なくて優しい。
湖畔亭 内海隆一郎 著
集英社文庫
各地の老舗温泉旅館に現れては、窮地を救う謎の初老男性小笠さん。
スーパーマンのような活躍は人情味溢れるストーリーに魅力を添えている。
そしてその雰囲気に、今は亡き私の師匠を思い出す。
ミセス・ポリファックスシリーズ ドロシー・ギルマン 著
集英社文庫
アメリカの平凡な年配主婦が、ある日突然CIAのスパイに。
通称「おばちゃま」シリーズ。「おばちゃまは飛び入りスパイ」から「おばちゃまはシリア・スパイ」まで計14冊。
最新作が出てから10年経っているそうなので、可愛iらしいおばちゃまとこれでお別れか?と思うとちょっと寂しい。
みをつくし料理帖シリーズ 高田郁 著
ハルキ文庫
女性料理人が極めて稀だった江戸で腕を振るう澪。
ストーリーもさることながら、登場する料理の数々(巻末にレシピ付)が実に美味しそうなのだ。
まさに「読む料理本」である。
図書館戦争シリーズ 有川浩 著
角川文庫
もし、読みたい本が自由に読めない世界になったら・・・。
そんな世界で本を守る郁と堂上教官の関係に忘れていた切なさを掻き立てられる。
笑って泣いてときめいて、きっと私は何度も読みたくなるだろう。
かもめ食堂 群ようこ 著
幻冬舎文庫
「私、おいしい御飯とお新香とお味噌汁があれば、何もいらないな。」
このフレーズを読んだ時「きっと私はこの本を好きになる」と感じた(因みに映画もよかった)。
真面目でちょっと普通じゃなくて、でも温かい人々の世界をどうぞ。
ラブコメ今昔 有川浩 著
角川文庫
タイトルに惹かれ衝動買いした1冊は大当たりだった。
個人的には「コメディ」というより「ホッとする」短編集だと思う。
疲れた時に読んで心に沁みた。
優しい死神の飼い方
黒猫の小夜曲
知念実希人 著
光文社文庫
タイトルから想像されるように人の「死」に関わるお話。
なのに暖かく切なくホロとさせられてしまう。
それぞれの話の繋がりも見事で、厚さ2センチのページ数も何のその、である。 さらにこの2作品自体の繋がり方がさりげなくてよい。
おそらく続編は望めないだろうが、それはそれでよいのかもしれない終わり方も好きだ。
アイネクライネナハトムジーク 井坂幸太郎 著
幻冬舎文庫
私の大好きなクラシックの名曲と同じタイトルに惹かれて手にした1冊。
何気ないけどちょっとだけ特別な日常が綴られている。
柔らかな小夜曲をご堪能ください。
蜜蜂と遠雷 恩田陸 著
幻冬舎文庫
文庫化されるのをずっと待ちわび、この春ようやく入手できた。
人物・風景・音楽・・・どの描写を取っても見事!のひと言。
時間を忘れて夢中になれる作品に久しぶりに出会えた。
東京バンドワゴンシリーズ 小路幸也 著
集英社文庫
最初の出会いは雑誌でたまたま見かけた紹介文に惹かれたからだった。
あれからたぶん10年以上。最近になって久しぶりに続きを買って読んだら嵌ってしまった
今も残る古き良き下町の風情と優しい人々に今日も紙上で会いに行こう。
そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 著
文春文庫
2019年度に本屋大賞を受賞した時から気になっていた作品。
文庫化されたのを機に読んでみて、この作品が受賞した理由が分かった気がした。
静かで時に切なくて、そして主人公と歴代の「親」達の優しさに癒された。
崩れる脳を抱きしめて 知念実希人 著
実業之日本社文庫
ちょっとドキッとするタイトルではあるが、主人公が脳外科医かつ病院が舞台なので納得。
最後のどんでん返しにびっくりしつつ、切なくも優しいラストにほっとした。
因みに、ここでも紹介した作者の別作品に登場する「優しい死神」らしき姿が垣間見られてほっこり。
民王 池井戸潤 著
文春文庫
数年前に本書が原作の同名ドラマの最終回ををたまたま見て、いつか読んでみたかった1冊。
奇しくも今の世相を彷彿とさせる内容なのも、面白さに拍車をかけたかも。
この作者の作品は初めてだったけど、他の長編にも興味が湧いた。
金田一耕助ファイルシリーズ 横溝正史 著
KADOKAWA
獄門島、悪魔が来りて笛を吹く、犬神家の一族、女王蜂、悪魔の手毬唄・・・
中高生の頃に文庫本を読み耽り、映画版も全部見たうえに、先日電子書籍で一気に読んだ。
戦後日本の地方都市とそこに暮らす人々にまつわる事件を綴る文章の独特な美しさに、今も惹きつけられる。
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